BOOK

ポーポキのマスクギャラリー-コロナ禍でアートを通して日常の安心を探る

コロナ時代にしたくてできないことの1つ、旅。主人公である「ねこのポーポキ」とマスクをとおして、ことばの旅、お絵描きの旅、ふりかえりの旅など、心を旅する。

『 Popoki’s Mask Gallery: Searching for everyday anshin through art during the COVID-19 Pandemic 』一緒に旅をしませんか?

コロナ時代にみんながしたくてできないことの1つは「旅」かもしれません。知らない世界を探検し、広い空を飛ぶ。遠く離れている場所にいる家族や友だちに会いに行く。 今日の「今」から懐かしい昨日や夢見る明日へ旅立つ。

「旅」には無限の可能性、無限の希望、無限の夢が含まれているかもしれない。それらに到達できるかもしれないし、できないかもしれない。到達できなければ、再度「旅」に出ればいいかもしれない。でも、休むことも大事かもしれませんね。

本書を手にしたあなたと、ポーポキの日々のマスクを通して、心が温まったり、微笑んだり、もしかしてしぼんだり、泣いたり…。

ポーポキと一緒にゆっくりとこの本を、そしてご自分の心を旅していただければ、と思います。

ポーポキ友情物語-東日本大震災で生まれた私たちの平和の旅

  • 著者:Ronni Alexander 文・絵
  • 定価:(本体1429円+税)
  • 出版社:エピック
  • 刊行年月:2012年01月
  • https://amzn.to/3PP5Thi

東日本大震災の被災地避難所等で、45cm×5mの布の上に自由に描いてもらった絵。嬉しいこと、悲しいこと、欲しいもの、好きなもの……最終的に60mの長さにもなった物語の記録。

2011年3月11日の大震災に大きな衝撃を受けました。その後、平和学を研究している者として、そして阪神・淡路大震災を体験した者として、何ができるだろうと考えました。2006年に立ち上げたポーポキ・ピース・プロジェクトを通して活動を行うことにしました。同プロジェクトは、ねこのポーポキと一緒に五感や感性を使って平和を感じ、表現し、創造するための平和活動で、私の研究の実践の場でもあります。

被災地での活動を始めるにあったって、次のことを大切にしようと思いました。(1) 一方通行ではないこと、 (2) 被災地も世界も視野に入ること、 (3) 誰でも参加できること、 (4) 継続性のあること、 (5) お金をかけずに出来ること、 (6) ポーポキらしいこと (五感・感性・想像力を使うこと)。そこで、45cm×5mの布と100円ショップで買った色とりどりのマジックを持って出かけ、避難所等で自由に絵を描いてもらうことにしました。被災地以外にも、神戸や大阪、グアム、チェコでも描いてもらい、絵がどんどん増えました。布に描かれているすべての絵は「物語」です。嬉しいこと、悲しいこと、欲しいもの、好きなもの……描いているうちにみんながそれらの物語を自然にシェアして、仲良くなり始めます。それに気づいた時、活動を「ポーポキ友情物語」と名付けました。

本書は、60mの長さにもなった「ポーポキ友情物語」の記録です。忘れないためにも、明日に向かうためにも、ぜひ見ていただきたい。

ポーポキのピース・ブック 3

ポーポキ、元気って、なに色?

  • 著者:Ronni Alexander 文・絵
  • 定価:(本体1500円+税)
  • 出版社:エピック
  • 刊行年月:2014年03月
  • https://amzn.to/3BphejM

ねこのポーポキを主人公とする「ポーポキのピース・ブック」シリーズの3冊目。テーマは「元気」。

本書は、ねこのポーポキを主人公とする「ポーポキのピース・ブック」シリーズの3冊目に当たります。このシリーズは、ポーポキ・ピース・プロジェクトの平和活動や平和教育実践の教材として使われています。今回は、健康と平和を広く捉え、テーマを「元気」にしました。なぜなら、戦争や災害、差別、病気、疎外感といった問題を原因に元気を失い、決して平和とは言えない状態にいる人がたくさんいるからです。失った「元気」をとり戻すだけではなく、そこからより積極的な「平和」をつくり出すためにも使ってもらいたいと思っています。

本書は、他のピース・ブック同様、問いかけを中心に作られており、読者に答えを考えてもらう構成になっています。今回は、元気を失ったポーポキが元気を探しに散歩に出るという物語です。散歩の途中にいろいろな仲間に出会い、それぞれの「元気」を訪ねます。ポーポキはだんだんに元気になってきて、今度は周囲を元気づけるようになります。各ページの最後にそのページの内容を受けて、元気や平和についての問いかけが載っています。

ポーポキ・ピース・プロジェクトは、東日本大震災の被災地でも活動を展開しており、被災地で考えた「元気」も本書に反映されています。人間やほかの生き物の生と死をテーマにした本書は確かに絵本ですが、読者の年齢を問いません。絵本として小学校低学年のお友だちにも、大人のみなさんにもぜひ読んでいただきたいです。また、多くの方々が読めるように、日本語と英語で書かれていますが、国際理解教育や英語の学習にも利用できます。多くの人が元気について考え、少しでも元気になればうれしいと思います。


ポーポキのピース・ブック 2

ポーポキ、友情って、なに色?

  • 著者:Ronni Alexander 文・絵
  • 定価:(本体1429円+税)
  • 出版社:エピック
  • 刊行年月:2009年04月
  • https://amzn.to/3PP5Thi

ポーポキがまたやってきました! 2007年に出版された『ポーポキ、平和って、なに色?ポーポキのピース・ブック1』に次いで、平和の絵本の2冊目が発行されました。 主人公は、ねこのポーポキ (ハワイ語で「ねこ」のこと) で、今度は、ポーポキの日常生活を描きながら、「友情」を取り上げ、問いかけます。前半は、友情のにおいや味、色を聞くことで、五感を使って、友情のイメージを膨らませます。後半では、私たちの生活において生じる問題に焦点を当てて、多様性や排除、夢を語りあうこと、コミュニケーションといった内容で、人間と人間あるいは他の生き物との関係について考えるきっかけを提供し、やがて平和の問題にも目を向けます。

平和を脅かすものは、遠く離れた国での戦争や武力紛争だけではなく、いじめや差別など、私たちの身近なところにもあり、私たちはみな、それらに何らかのかかわりを持っています。自分のことや社会とのかかわり方を考え、その気づきをきっかけに、平和の創造のために自分にできることを見つけて、行動に移すことが本書のねらいです。

この本を一人で読むことはもちろんのことですが、親子や友だち、クラスメートと一緒に読んで話し合っていただきたい。私は教室以外にも、2006年に立ち上げた「ポーポキ・ピース・プロジェクト」の活動で、日本国内外でのワークショップなどにおいてピース・ブック2を使って、ポーポキの仲間をさらに増やしながら世界各地での平和の創造に役立てたい。

ポーポキのピース・ブック 1

ポーポキ、平和って、なに色?

  • 著者:Ronni Alexander 文・絵
  • 定価:(本体1429円+税)品切
  • 出版社:エピック
  • 刊行年月:2007年05月
  • https://amzn.to/3Jmk1MI

この本が出版できたの「ポーポキ・ピース・プロジェクト」のおかげです。2005年12月に立ち上げて以来、実に多くの方々にご支援をいただきながら国内外でワークショップなどを重ねて参りました。この本がポーポキ・ピース・プロジェクトの活動のみならず、皆様の平和への取り組みに少しでも役立つようにお祈りしています。